資源確保
附属レアメタル含有放射性物質取扱研究施設
希土類元素やNb、Ta等のレアメタルの一次資源確保は、常に随伴する放射性元素(Th、Uなど)の分離と処理が課題となる。本施設は、レアメタル資源から放射性元素を分離する技術開発の指針をえるための基礎研究が行える日本で数少ない施設である。
副センター長・施設長
桐島 陽 教授
(多元物質科学研究所)
放射性物質を含む廃棄物の処理・処分プロセスに関する研究 リーダー: 桐島 陽
2011年の福島第一原発事故により、膨大な量の様々な放射性廃棄物が発生しました。この中には核燃料デブリなど現時点ではアクセスが限られ、性状や汚染の程度などが不明な取り扱いの難しい廃棄物が含まれます。これらは今後30-40年をかけて順次取り出され、安定化や廃棄体化処理を施し、処分される見込みです。これを安全に実現するには廃棄物の性状や含まれる放射能量を正確に把握する必要がありますが、廃棄物には毒性が高く化学挙動が複雑な種々のアクチノイド元素等が含まれます。当研究プロジェクトでは、この困難な課題に放射化学アプローチによる実験研究で取り組んでいます。具体的には模擬デブリ合成・分析による燃料デブリの物理・化学特性の把握、汚染水へのアクチノイドの溶出挙動研究、さらには新規な汚染物の安定化および廃棄体化法の開発等を行っています。これらの研究の着実な進展により、現在の日本における最も困難な工学課題である福島第一原発の廃止措置や、社会問題としての側面も持つ放射性廃棄物の処分に、貢献することを目指しています。